夜中に鳴る空襲警報みたいなサイレンの正体は?Jアラート・消防車の音の違いと対処法を解説

夜中に鳴る空襲警報みたいなサイレンの正体は?Jアラート・消防車の音の違いと対処法を解説

真夜中に突然「ウーーーーッ」と鳴り響く、空襲警報のような不気味なサイレン。

「何事だろう?」「もしかして、何か危険が迫っているの?」と、不安な気持ちで目が覚めてしまった経験はありませんか。

その不気味な音の正体は、Jアラート(国民保護サイレン)消防車、あるいは地域の防災無線である可能性が高いです。

この記事では、夜中に聞こえる「空襲警報みたいなサイレン」の正体を突き止め、それぞれの音の違いや意味、そしていざという時にどう行動すればよいのかを分かりやすく解説します。

目次

【比較表】音で聞き分ける!夜中に鳴るサイレンの種類と意味

夜中に聞こえるサイレンは、種類によって音の鳴り方や意味が全く異なります。まずは、それぞれの特徴を比較表で確認してみましょう。冷静に音を聞き分けることが、落ち着いた行動への第一歩です。

サイレンの種類音の特徴(オノマトペ)意味・状況
Jアラート(国民保護サイレン)ウーーーーーーッ(不協和音)弾道ミサイル攻撃、大規模テロなど、国民の生命に危険が及ぶ事態の発生。最も警戒が必要
消防車(火災出動)ウーウーウーカンカンカン建物火災など、火事の現場へ向かっている。モーターサイレンと警鐘(かね)の音が合わさるのが特徴。
消防車(火災以外・帰署時)ウーウーウー救助活動、警戒出動、鎮火後の帰署など。鐘の音は鳴らないことが多い。
パトカーヒュンヒュンヒュン事件の通報を受け、現場へ急行している。消防車とは明らかに音色が異なります。
救急車ピーポーピーポー急病人やけが人を搬送している。多くの人が聞き馴染みのある音です。

このように、一口にサイレンと言っても、音のパターンは様々です。特に「空襲警報みたい」と感じる、長く鳴り響く不協和音は、Jアラートの可能性が高いと言えるでしょう。

最も警戒すべき「Jアラート(国民保護サイレン)」とは?

「空襲警報のようだ」と感じるサイレンの中で、最も注意が必要なのがJアラート(全国瞬時警報システム)によって流される「国民保護サイレン」です。

記事内では便宜上「ウーーー」と表現していますが、実際の音は2種類の音が重なり合った不協和音で、意図的に不安感を煽るような複雑な音階になっています。このサイレンは、外国からの武力攻撃や大規模テロなど、国民の生命に直接的な危険が迫っている、あるいはその可能性がある場合にのみ使用されます。万が一聞こえた際には、直ちに身を守る行動を取らなくてはいけません。

Jアラートが鳴る具体的な状況

国民保護サイレンが鳴るのは、具体的に以下のような事態が想定されています。

  • 弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性、または上空を通過する可能性がある場合
  • 日本の領土・領海に航空攻撃が行われる可能性がある場合
  • ゲリラや特殊部隊による攻撃が発生した場合
  • 大規模テロが発生した場合

なお、日本の排他的経済水域(EEZ)など、領海外の周辺海域に落下する可能性があると判断された場合には、国民保護サイレンは使用されません。

スマホの警報音はサイレン音と違うので注意

Jアラートの情報は、防災行政無線だけでなく、スマートフォンにもエリアメール(緊急速報メール)で配信されます。ただし、その際の着信音は国民保護サイレンの音とは異なり、津波や大規模地震の時と同じ警報音です。屋外でサイレンが聞こえなくても、スマホが鳴ったら同様に危険が迫っているサインですので、速やかに身を守る行動をとってください。

Jアラートが聞こえたら取るべき行動

もしJアラートのサイレンを聞いたり、スマホの警報が鳴ったりしたら、パニックにならず、以下の行動を速やかに取ってください。

  • 【屋外にいる場合】
    • 近くの頑丈な建物(コンクリート造など)や地下街、地下鉄の駅などに避難する。
    • 適当な建物がない場合は、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る。
  • 【屋内にいる場合】
    • 窓からできるだけ離れる。可能であれば、窓のない部屋へ移動する。
    • 丈夫な机の下などに隠れ、頭を守る。

その後は、テレビやラジオなどで、行政機関からの信頼できる情報に注意を払い、指示に従って行動することが重要です。

参考1:Jアラート(全国瞬時警報システム)に関するQ&A|国民保護ポータルサイト
参考2:Jアラートの音はなぜあんなに不快なのか|ITmedia NEWS

消防車のサイレンは「ウーウー」と「カンカン」の組み合わせ

Jアラートと並んで、夜中に不安をかき立てるのが消防車のサイレンです。特に火災出動時の音は緊迫感がありますが、Jアラートとの違いを知っておけば、冷静に状況を判断できます。

消防車のサイレンの最大の特徴は、「ウーウー」というモーターサイレンと、「カンカン」という警鐘(かね)の音を組み合わせて使用する点にあります。

火災出動時のサイレン音:「ウーウー」と鐘の音

一般的に、建物火災などの通報を受けて出動する際は、「ウーウー」というサイレンと「カンカン」という鐘の音を同時に鳴らします。これは、周囲の車や歩行者に緊急事態であることを知らせ、道を譲ってもらうための合図です。

この「カンカン」という鐘の音が聞こえたら、「近くで火事が起きているんだな」と判断することができます。Jアラートの長く伸ばす不協和音とは明らかに異なるため、聞き分けるポイントになるでしょう。

火災以外の出動や帰署時のサイレン

一方で、火災以外の出動(救助活動や水難事故など)や、火事を消し止めた後の帰署時、あるいはパトロールなどの際には、鐘を鳴らさず「ウーウー」というサイレン音だけを鳴らすことが一般的です。

「ウーウー」という音だけが聞こえてきた場合は、火災ではないものの、消防車が何らかの緊急活動を行っているか、あるいは活動を終えて消防署に戻る途中である可能性が高いと考えられます。

その他のサイレン(パトカー・救急車・防災無線)との違い

Jアラートや消防車以外にも、夜中に聞こえる可能性のある音はいくつかあります。

パトカーのサイレンは、「ヒュンヒュン」や「ファンファン」といった、やや高めの音が特徴です。消防車の「ウー」という低い音とは音色が異なるため、比較的聞き分けやすいのではないでしょうか。

救急車の「ピーポーピーポー」というサイレンは、誰もが聞き慣れている音だと思います。緊急走行中は非常に大きな音になりますが、Jアラートや消防車の音と混同することは少ないでしょう。

また、忘れてはならないのが地域の防災行政無線です。これはJアラートの伝達にも使われますが、それ以外にも、台風や大雨などの自然災害情報、行方不明者の捜索協力の呼びかけ、光化学スモッグ注意報など、自治体からの様々なお知らせに使われます。サイレンの後に音声による放送が続くことが多いのが特徴です。お住まいの自治体の防災無線でどのような情報が流れるのか、一度確認しておくと安心です。

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夜中のサイレンに慌てないために!正確な情報を確認する方法

夜中に不審なサイレンが聞こえたとき、最も大切なのは、慌てずに正確な情報を手に入れることです。サイレンの正体が何であれ、信頼できる情報源から何が起きているのかを確認する習慣をつけておきましょう。

  • テレビ・ラジオを点ける
    • 特にNHKは、災害や有事の際に緊急報道へ切り替わります。リモコンをすぐ手に取れる場所に置いておくと良いでしょう。
  • 自治体の公式サイトやSNSを確認する
    • お住まいの市区町村のウェブサイトや、X(旧Twitter)などの公式アカウントでは、地域の防災情報が発信されます。
  • 防災アプリを活用する
    • Yahoo!防災速報」などのスマートフォンアプリは、現在地の災害情報やJアラートをプッシュ通知で知らせてくれるため非常に便利です。

これらの情報源を確認し、何も特別な情報が出ていなければ、消防車の通過など、限定的な地域の出来事である可能性が高いと判断できます。過度に心配せず、落ち着いて対応しましょう。

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まとめ

夜中に突然聞こえる「空襲警報みたいなサイレン」は、私たちを不安にさせます。しかし、その多くはJアラートや消防車のサイレンであり、音の特徴を知っていれば、ある程度聞き分けることが可能です。

  • 長く伸ばす不協和音のサイレンは、最も警戒が必要なJアラートの可能性があります。
  • 「ウーウー」と「カンカン」という鐘の音がセットなら、消防車の火災出動です。
  • サイレンが聞こえたりスマホが鳴ったりしたら、まずは冷静に音を聞き分け、テレビなどで正確な情報を確認しましょう。

いざという時に慌てないためにも、この記事で紹介した音の違いや情報収集の方法を覚えておき、日頃から防災への意識を高めておくことが大切です。

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