イオンモール、イオンタウン、イオンスタイル…。街でよく見かけるイオン系列のお店ですが、それぞれの違いをきちんと説明できる方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、似ているようで全く違うイオン系列店の特徴や役割分担を、分かりやすく解説します。お買い物の目的に合わせて、お店を賢く使い分けられるようになりますよ。
イオンモール・イオンタウン・イオンスタイルの違いが一目でわかる比較表
「イオン」と名のつくお店はたくさんありますが、特に「イオンモール」「イオンタウン」「イオンスタイル」は混同されがちですよね。
「買い物に行きたいけど、どれがどう違うの?」と感じている方のために、まずはそれぞれの特徴をまとめた比較表をご覧ください。
項目 | イオンモール | イオンタウン | イオンスタイル |
---|---|---|---|
コンセプト | 巨大なエンターテイメント空間 | 地域密着型の近隣ショッピングセンター | ライフスタイル提案型の総合スーパー |
主な運営会社 | イオンモール株式会社 | イオンタウン株式会社 | イオンリテール株式会社など |
施設の種類 | ショッピングモール(デベロッパー) | ショッピングセンター(デベロッパー) | 店舗(小売店・テナント) |
規模 | 大規模 | 中〜小規模 | 店舗による |
出店形式 | 多くの専門店が集まるクローズドモール | 独立した店舗が集まるオープンモールが多い | イオンモールやイオンタウンの核店舗として出店 |
特徴 | 映画館やアミューズメント施設が充実。一日中楽しめる。 | スーパーマーケットが中心。日常の買い物に便利。 | 食料品から衣料品、暮らしの品まで専門性が高い。 |
イメージ | 巨大な船(色々な店や施設を乗せている) | 商店街(個々のお店が集まっている) | 百貨店に近いスーパー(品揃え豊富で専門的) |
いかがでしょうか。イオンモールとイオンタウンは「場所」を提供するデベロッパー、イオンスタイルはそこで営業する「お店」という根本的な違いがあります。
ここからは、それぞれの特徴について、さらに詳しく解説していきますね。
巨大なエンターテイメント空間「イオンモール」
イオンモールは、休日に家族や友人と一日中楽しめる「巨大な商業施設」です。運営しているのはイオンモール株式会社で、土地の開発からテナントの誘致まで手がけるデベロッパー事業を担っています。
イオンモールの最大の特徴は、その圧倒的な規模と店舗数にあります。中心となる「イオンスタイル」や「イオン」といった総合スーパーを核に、ファッション、雑貨、家電量販店、レストランなど、数百もの専門店が軒を連ねています。まるで一つの街のような空間が広がっていて、買い物をしているだけでワクワクしてきませんか。
さらに、シネマコンプレックス(映画館)やアミューズメント施設、クリニック、カルチャースクールなどが併設されていることも多く、単なる買い物の場所にとどまりません。エンターテイメント性が非常に高く、イベントや催事も頻繁に開催されるため、「何か楽しいことがしたいな」と思ったときの行き先としても最適です。イオンモールは、「買い物+遊び」を一度に満たしてくれるテーマパークのような存在と言えるでしょう。
地域密着型のショッピングセンター「イオンタウン」
イオンタウンは、私たちの日常生活に寄り添ってくれる「地域密着型のショッピングセンター」です。イオンモールと同じく、イオンタウン株式会社がデベロッパーとして施設の管理・運営を行っています。
イオンモールが広域から多くの人を集めることを目的としているのに対し、イオンタウンは地域住民の日常的な利用を想定しているのが大きな違いです。そのため、スーパーマーケットを核店舗に、ドラッグストア、100円ショップ、クリーニング店、飲食店など、日々の暮らしに必要なお店がコンパクトにまとまっています。
また、イオンモールが屋内ですべてのお店がつながっている「クローズドモール」であるのに対し、イオンタウンは駐車場を囲むように独立した店舗が立ち並ぶ「オープンモール」形式が多いのも特徴。車でサッと立ち寄り、目的のお店だけでスピーディーに買い物を済ませたいときに非常に便利です。派手さはありませんが、私たちの「普段の暮らし」をしっかり支えてくれる、頼れる存在がイオンタウンなのです。
イオンの新しいカタチ「イオンスタイル」とは?
イオンスタイルは、食料品から衣料品、日用品まで幅広く取り扱う「総合スーパー(GMS)」です。かつての「ジャスコ」や「サティ」が時代に合わせて進化した姿、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
運営しているのは、主にイオンリテール株式会社。イオンモールやイオンタウンが場所を提供する「大家さん」だとすれば、イオンスタイルはその場所を借りて商売をする「店子(テナント)」にあたります。そのため、「イオンモールの中にあるイオンスタイル」という形で目にすることが最も多いはずです。
イオンスタイルの特徴は、ただ商品を売るだけでなく、専門性を持たせた売り場で「ライフスタイルを提案する」点にあります。例えば、オーガニック食品を集めた「トップバリュ グリーンアイ」コーナーや、機能性に優れた衣料品「トップバリュ PEACE FIT」、暮らしの雑貨を提案する「ホームコーディ」など、プライベートブランドも活用しながら、こだわりの商品を展開しています。昔ながらの総合スーパーの便利さはそのままに、より専門的でおしゃれな売り場へと進化を遂げたのが、イオンスタイルなのです。
参考:イオンリテール株式会社
結局どういう関係?イオン系列店のすみ分けを解説
ここまで読んで、「なんとなく違いはわかったけど、まだ少し複雑…」と感じる方もいるかもしれませんね。ここで、イオン系列店の関係性を整理してみましょう。
一番大きな枠組みとして、ショッピングモールという「器」を作るのがイオンモールやイオンタウンです。彼らは施設のデベロッパーであり、場所の魅力や利便性を高める役割を担っています。
そして、その器の中に入る「中身」の一つが、総合スーパーであるイオンスタイルやイオンです。これらはイオンモールやイオンタウンの「核店舗」として、集客の要となる重要なテナントです。もちろん、器の中にはユニクロや無印良品、スターバックスといった、イオン系列以外のたくさんのお店もテナントとして入居しています。
つまり、多くの場合「イオンモール(場所)」の中に「イオンスタイル(お店)」が入っている、という関係性が成り立つのです。この基本構造を理解すると、それぞれの役割がスッキリと見えてきます。
マックスバリュやまいばすけっととの違いは?
イオン系列には、他にもさまざまな業態のお店があります。最後に、代表的なスーパーマーケットとの違いも簡単にご紹介します。
食品に特化したスーパーマーケット「マックスバリュ」
マックスバリュは、食料品を中心に扱う「スーパーマーケット」です。イオンスタイルが衣料品や住居用品も幅広く扱うのに対し、マックスバリュは「食」に特化しているのが特徴。地域に根ざした品揃えや運営を行っており、日々の食卓に欠かせない商品をリーズナブルな価格で提供しています。イオンタウンの核店舗になることも多いです。
都市部の小さな味方「まいばすけっと」
まいばすけっとは、都市部を中心に展開する「小型スーパー」です。コンビニエンスストアのような規模感でありながら、生鮮食品やお惣菜、日用品など、スーパーマーケット並みの品揃えを実現しています。「ちょっとした買い物に、遠くのスーパーまで行くのは面倒…」という都市部住民のニーズに応える、便利で心強い存在です。
まとめ:目的に合わせてイオンを使い分けよう!
この記事では、イオンモール、イオンタウン、イオンスタイルの違いについて解説しました。最後に、それぞれのポイントを簡単におさらいしましょう。
- イオンモール:一日中楽しめる巨大なエンタメ施設。買い物も遊びも満喫したいときに。
- イオンタウン:日常の買い物に特化した地域密密着型SC。普段使いに便利。
- イオンスタイル:ライフスタイルを提案する専門的なスーパー。こだわりの品を探したいときに。
イオンモールとイオンタウンが「場所(器)」で、イオンスタイルがその中に入る「お店(中身)」という関係性を覚えておくと、違いが分かりやすいですね。それぞれの特徴を知って、日々の暮らしや休日の計画に、ぜひ役立ててください。
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