お財布の中を見て、「クレジットカード、何枚も重ねて入れているけど大丈夫かな?」と、ふと不安になった経験はありませんか?
キャッシュレス決済が主流になり、複数のカードを持ち歩くのが当たり前になりました。でも、カードの磁気やICチップがダメになって、いざという時に使えなくなったら困りますよね。
結論から言うと、クレジットカード同士を重ねて収納するだけで、すぐに磁気不良が起きる可能性は低いです。
しかし、それはあくまで「カード同士」の場合。実は、もっと他に気をつけるべき原因があるんです。この記事では、クレジットカードを重ねて保管する際の影響や、カードが使えなくなる本当の原因、そして大切なカードを長持ちさせるための正しい保管方法を分かりやすく解説します。
クレジットカードを重ねても大丈夫?気になる磁気・ICチップへの影響
多くの方が心配する、カードを重ねることによる磁気やICチップへの影響。実際のところ、どうなのでしょうか?それぞれのパーツの特性から見ていきましょう。
結論:カード同士を重ねるだけでは磁気不良は起きにくい
クレジットカードの裏面にある黒い帯(磁気ストライプ)には、たくさんの磁気情報が記録されています。そのため、「カード同士の磁気が干渉してデータが壊れるのでは?」と心配になりますよね。
ですが、カード1枚が発する磁力はとても弱いため、カード同士を重ねただけでお互いの磁気情報を破壊してしまうことは、ほとんどありません。
ただし、これはあくまでカード単体の話です。後ほど詳しく解説しますが、私たちの身の回りにある「もっと強力な磁気を発するもの」には注意が必要です。カードを重ねること自体よりも、保管する「場所」の方がずっと重要になってきます。
ICチップは物理的なダメージに注意が必要
カード表面に埋め込まれている金色のICチップ。こちらは磁気ではなく、電気的に情報を読み書きする仕組みです。そのため、磁気の影響は一切受けません。
ICチップで注意すべきなのは、磁気よりも「物理的なダメージ」です。非常に精密な電子部品なので、強い圧力がかかったり、カードが大きく曲がったり、表面に深い傷がついたりすると、破損して使えなくなることがあります。
お財布がパンパンの状態でカードを何枚も重ねて入れると、ICチップに継続的な圧力がかかってしまう恐れも。重ねること自体が直接の原因になるわけではありませんが、間接的に破損リスクを高める可能性は知っておきましょう。
要注意!クレジットカードが使えなくなる主な原因
カードを重ねることよりも、もっと注意したい「カードが使えなくなる原因」があります。磁気ストライプとICチップ、それぞれどんなことに弱いのかを具体的に見ていきましょう。
磁気ストライプ(磁気テープ)の弱点
磁気ストライプは、その名の通り「磁気」を利用しているため、外部からの強い磁気に非常に弱いです。私たちの身の回りには、知らず知らずのうちにカードの磁気を弱めてしまうものがたくさんあります。
特に注意したいのが、スマートフォン、タブレット、パソコン、スピーカーなどです。また、バッグや手帳型スマホケースに使われているマグネット式の留め具も、カードを近づけると磁気不良を起こす代表的な原因です。
その他、テレビや電子レンジといった家電製品の近くに長時間置くのも避けるべきです。磁気以外にも、磁気ストライプ部分の傷や汚れ、夏の車内のような高温環境も、カード自体が熱で変形してしまい、結果としてデータが読み取れなくなる原因となります。
ICチップの弱点
前述の通り、ICチップは磁気の影響を受けませんが、物理的なダメージには強くありません。
一番の原因は、圧力や折り曲げです。ズボンの後ろポケットに財布を入れたまま座る癖がある方は、カードに負荷がかかりやすいので要注意。また、ICチップの表面に傷がついたり、汚れたりすると、決済端末が正常に読み取れなくなることがあります。
また、非常に稀ですが静電気にも注意が必要です。現代のICチップは静電気への対策がされていますが、極度に乾燥した環境で発生する強い静電気は、破損の原因になる可能性がゼロではありません。さらに、水濡れも注意点のひとつです。ICチップ自体はある程度の防水性を備えていますが、カードが完全に水没したり、長時間濡れたままになったりすると故障の原因になり得ます。濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布で拭き取りましょう。
【比較表】磁気ストライプとICチップの弱点の違い
それぞれの弱点を、分かりやすく表にまとめてみました。ご自身のカードの保管方法を見直す際の参考にしてみてください。
原因の種類 | 磁気ストライプへの影響 | ICチップへの影響 | 対策 |
---|---|---|---|
強い磁気 | ✕(非常に弱い) | ◎(影響なし) | スマホやマグネットから離す |
圧力・折り曲げ | △(比較的強い) | ✕(弱い) | 財布をパンパンにしない、お尻のポケットに入れない |
傷・汚れ | ✕(読み取り不良の原因) | ✕(読み取り不良の原因) | カードポケットに1枚ずつ入れる、表面を綺麗に保つ |
熱・高温 | ✕(カード変形の恐れ) | △(比較的強い) | 夏の車内などに放置しない |
水濡れ | △(比較的強い) | △(長時間・完全な水没は注意) | 濡れたらすぐに拭く |
静電気 | ◎(影響なし) | △(極端な場合に破損の恐れ) | 乾燥した場所での取り扱いに注意 |
大切なカードを守る!正しい保管方法とおすすめグッズ
では、どうすれば大切なクレジットカードをダメージから守れるのでしょうか。日々のちょっとした工夫で、カードの寿命は大きく変わります。
財布・カードケースでの保管のコツ
まず基本となるのが、お財布やカードケースでの保管方法です。理想は、カードポケットに1枚ずつ収納すること。これにより、カード同士がこすれて傷がつくのを防げます。
また、お財布にレシートや小銭を詰め込みすぎないことも大切です。パンパンに膨らんだ財布は、中のカードに常に圧力をかけてしまい、ICチップの破損やカードの変形につながります。お財布の中は常にスッキリさせておくことを心がけましょう。
「磁気防止機能付き」カードケースは必要?
カードケースの中には、「磁気防止」や「スキミング防止(RFIDブロッキング)」を謳った製品があります。これらは、外部からの磁気や不正な電波を遮断してくれる便利なアイテムです。
特に、多くのカードをまとめて持ち歩く方や、カバンの中にスマホやタブレットなどを一緒に入れることが多い方にとっては、磁気防止機能付きのケースを使うと安心感が増します。アルミ製のハードケースや、内部に磁気シールドが施されたものを選ぶと良いでしょう。
ただし、日常生活において過度に心配する必要はありません。まずは「磁気を発するものから離す」という基本を徹底することが最も重要です。
やってはいけないNGな保管場所
最後に、クレジットカードの保管場所として絶対に避けるべきNGな場所をまとめました。無意識に置いてしまっていないか、チェックしてみてください。
- スマートフォンやタブレットのすぐそば(特に手帳型ケースのポケット)
- バッグやポーチのマグネット式留め具の近く
- テレビ、スピーカー、電子レンジなどの家電製品の上や横
- 磁気ネックレスや磁気治療器などの健康グッズの近く
- 直射日光が当たる場所や、夏の車内など高温になる場所
これらの場所を避けるだけで、磁気不良やカードの劣化リスクを大幅に減らすことができます。
もしカードが使えなくなったら?磁気不良・ICチップ破損時の対処法
どんなに気をつけていても、カードが突然使えなくなってしまうことはあります。そんな時に慌てないための対処法を知っておきましょう。
まずは原因を切り分ける
レジで「このカードは使えません」と言われたら、まずは落ち着いて原因を探りましょう。一時的な通信エラーや、そのお店の決済端末との相性が悪いだけの可能性もあります。
まずは、別のお店で試してみるのが有効です。それでも使えない場合は、カードの磁気ストライプやICチップの表面が汚れているだけかもしれません。乾いた柔らかい布で優しく拭き取ってみましょう。これだけで、あっさり使えるようになることもあります。それでもダメな場合は、カード自体の不具合が考えられます。
カード会社に連絡して再発行を依頼
何を試してもカードが使えない場合は、カードの磁気不良やICチップが破損している可能性が高いです。その際は、カードの裏面に記載されているカード会社のサポートデスクに連絡し、再発行の手続きを依頼しましょう。
多くのカード会社では、電話や会員専用のWebサイトから再発行の申し込みができます。再発行には1〜2週間程度の時間がかかるのが一般的です。カードによっては再発行手数料が必要になる場合もあるので、連絡した際に確認しておくと安心です。新しいカードが届くまではそのカードは使えませんが、落ち着いて手続きを進めましょう。
まとめ:カードの重ね置きより「保管場所」に気をつけよう
今回は、クレジットカードの保管方法について解説しました。
- カード同士を重ねるだけでは、すぐに磁気不良になる可能性は低い
- 注意すべきは、スマホやマグネットなど「外部の強い磁気」
- ICチップは磁気に強いが、圧力や傷などの「物理的ダメージ」に弱い
- 保管する際は、磁気製品から離し、圧力がかからないようにする
- 万が一使えなくなったら、カード会社に連絡して再発行する
日々のキャッシュレス生活を支えてくれる大切なクレジットカード。正しい保管方法を実践して、いざという時に困ることのないように、長く安心して使い続けましょう。
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