TwitchやYouTubeなどのゲーム配信を見ていると、コメント欄やSNSで「ファンボ」という言葉を見かけたことはありませんか。
「ファンと何が違うの?」「悪口なの?」と疑問に思う方も多いはずです。
結論から言うと、「ファンボ」とは「ファンボーイ(Fanboy)」の略で、特定の対象を盲目的に支持し、批判を許さない過激なファンを指すことが多いネットスラングです。
この記事では、単なるファンとの違いや、配信・ゲーム界隈での具体的な使われ方、言われた時の対処法などを分かりやすく解説します。
ファンボの基本的な意味と語源
まずは「ファンボ」という言葉の成り立ちと、フラットな意味合いについて整理しましょう。
言葉の響きは可愛らしいですが、使われるシチュエーションによってはトゲのあるニュアンスを含みます。
英語圏のスラングFanboyが由来
「ファンボ」の語源は、英語の「Fanboy(ファンボーイ)」です。
文字通り「Fan(ファン)」と「Boy(男の子)」を組み合わせた言葉で、元々はアメコミやゲーム、テクノロジー製品などに熱中するオタク的な男性ファンを指す言葉でした。
しかし、現在の日本のネットスラングとして使われる際は、性別に関係なく使われることがほとんどです。
女性であっても、対象への熱狂度が高く、排他的な行動を取る場合は「ファンボ」と呼ばれることがあります。
単なるファンとファンボの決定的な違い
「あの人はファンだ」と言うのと「あの人はファンボだ」と言うのでは、意味合いが大きく異なります。
一般的な「ファン」は、対象を応援しつつも、良識の範囲内で楽しむ人々を指します。
一方で「ファンボ」と呼ばれる場合、以下のような特徴が含まれることが多いです。
- 対象(配信者やゲーム機など)を神格化している
- 少しでも批判的な意見があると猛烈に攻撃する
- 競合する他の配信者やハードウェアを叩く
つまり、理性を失うほど盲目的に肯定し、他者を攻撃してしまう層を指して、揶揄(やゆ)する意味で使われるケースが目立ちます。
配信やゲーム界隈での具体的な使われ方
では、実際にどのような場面で「ファンボ」という言葉が飛び交うのでしょうか。
特に使用頻度の高い「ゲームハード論争」と「ストリーマー界隈」の2つのパターンについて深掘りします。
ゲーム機戦争における「◯◯ファンボ」
もっとも古く、かつ激しく使われているのが家庭用ゲーム機の派閥争い(ゲハ論争)です。
PlayStation派、Xbox派、Nintendo Switch派などが、それぞれのハードの優位性を主張し合う際、相手を煽るためにこの言葉が使われます。
例えば、PlayStationを愛するあまり、XboxやPCゲーマーを過剰に批判する人を「PSファンボ」や「ソニーファンボ」と呼ぶことがあります。
逆にXboxを過剰に持ち上げる人を「箱ファンボ」と呼ぶこともあります。
なお、一部の掲示板などではさらに過激な蔑称(例:「痴漢」など)が使われることもありますが、これらは非常に侮蔑的な意味合いが強く、トラブルの原因になりやすいため、絶対に使用すべきではありません。
ストリーマーやVtuberの「囲い」としての側面
近年ではTwitchやYouTube Liveなどの配信プラットフォームでも頻繁に使われます。
特定のストリーマー(配信者)やVtuberに対して、全肯定する視聴者を指す場合です。
例えば、配信者がゲームでミスをして負けたとしましょう。
普通の視聴者が「惜しかったね」「今の判断はミスだったね」とコメントするのに対し、ファンボは以下のような反応を示しがちです。
「今の負けはラグのせい」「味方が弱すぎる」「ゲームバランスが悪い」
このように、推しを守るために他責思考になり、攻撃的になる様子を指して「痛いファンボがいる」と表現されるわけです。
ファンボ・信者・衛門などの用語比較
ネット上には「ファンボ」以外にも、熱狂的なファンを指す言葉がたくさんあります。
それぞれのニュアンスの違いを理解しておくと、文脈を読み違えることがなくなります。
似たような言葉との違いを以下の表にまとめました。
| 用語 | 主な意味とニュアンス | 攻撃性 |
|---|---|---|
| ファンボ | 盲目的な肯定派。他社製品やアンチに対して攻撃的になる傾向がある。 | 中〜高 |
| 信者 | 教祖(対象)の言うことを絶対視する人。宗教に例えた表現。 | 中 |
| 囲い | 配信者を守ろうとし、新規ファンや批判意見を排除しようとする人。 | 中 |
| 衛門(えもん) | 本来はうんこちゃん(加藤純一氏)のファン名称だが、転じて攻撃的な視聴者を指すこともある。 | 高(文脈による) |
| 全肯定 | 何をしても褒める人。攻撃性は低いが、配信者の成長を阻害すると見なされることもある。 | 低 |
このように比較すると、ファンボは「対立構造」の中で使われやすい言葉であることが分かります。
「Aが好きだからBを叩く」という心理が見えた時、それはファンではなくファンボと認定されやすいのです。
ポジティブな意味で使われることはある?
ここまでネガティブな側面ばかり解説してきましたが、必ずしも悪口だけで使われるわけではありません。
文脈によっては、自虐や愛着を込めて使われるケースもあります。
自称する場合の「ファンボ」
「俺、〇〇のファンボだからさ」と自ら名乗る場合は、単なる「大ファン」という意味で使われていることが多いです。
この場合、「周りが見えなくなるくらい大好きだ」「理屈抜きで応援している」という熱意を伝えるための、軽いジョーク混じりの表現になります。
また、海外のe-sportsチームのファンダムなどでは、Fanboyがそこまで侮蔑的な意味を持たず、純粋なサポーターを指すこともあります。
言葉の受け取り方はコミュニティによって変わるため、前後の文脈を見ることが大切です。
Pixiv FANBOXとの混同に注意
少し話が逸れますが、クリエイター支援サイトの「Pixiv FANBOX(ピクシブファンボックス)」を略して「ファンボ」と呼ぶ人もいます。
イラストレーターやVtuberが「ファンボ更新しました!」と言う場合は、過激なファンのことではなく、こちらの支援サイトの更新通知です。
この場合は完全にポジティブ、かつ事務的な意味ですので、勘違いしないようにしましょう。
まとめ
配信やゲーム界隈で使われる「ファンボ」について解説しました。
最後に要点を振り返りましょう。
- ファンボとは:「Fanboy」の略で、特定の対象を盲目的に支持する人
- 特徴:競合他社や批判的な意見に対して攻撃的になりやすい
- 使われる場面:ゲーム機戦争(ゲハ)やストリーマーのコメント欄
- 注意点:自称する場合は「大ファン」の意味だが、他人から呼ばれる場合は「厄介なファン」という蔑称
何かを熱心に応援することは素晴らしいことですが、周りが見えなくなって他者を攻撃してしまっては、結局「推し」の評判を下げることになりかねません。
「ファンボ」と後ろ指をさされないよう、節度を持って応援活動(推し活)を楽しみたいですね。









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