カラフルな17色の目標が掲げられ、今やテレビや雑誌で見ない日はない「SDGs(エスディージーズ)」。
「持続可能な開発目標」という、誰もが否定できない素晴らしい理念。多くの企業や団体がその達成に向けて取り組みをアピールしています。
でも、あなたは心のどこかで、こんな風に感じていませんか?
「なんだか、きれいごとばかりで胡散臭い…」
「SDGsって、結局は一部の人が儲かるための仕組みなんじゃないの?」
その直感、あながち間違いではないかもしれません。
この記事では、多くのメディアが語りたがらないSDGsの「闇」や「不都合な真実」に切り込んでいきます。
SDGsに潜む利権構造や、ジェンダー平等がもたらす新たな矛盾など、きれいごとだけでは済まされない現実を知ることで、私たちは初めて「本当の意味でやるべきこと」を考えられるようになるはずです。
SDGsの理想と現実のギャップとは?きれいごとで終わらせないために
SDGsは、2030年までに「誰一人取り残さない」持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標です。貧困や飢餓をなくし、質の高い教育をみんなに、そしてジェンダー平等を実現するなど、その理想は非常に崇高なものと言えるでしょう。
しかし、その輝かしい理想の裏で「SDGsウォッシュ」という深刻な問題が横行している現実をご存知でしょうか。
「ウォッシュ」とは「ごまかす」「うわべを飾る」といった意味。つまり、実際にはSDGsに貢献していない、あるいは環境破壊に加担しているにもかかわらず、あたかも熱心に取り組んでいるかのように見せかける企業の手法を指します。
例えば、ほんの一部の商品だけ環境配慮型素材に変え、大々的に「地球にやしい企業」と宣伝したり、社内の労働環境は劣悪なのに「働きがいも経済成長も」の目標を掲げたり。カラフルなバッジは、企業のイメージアップや商品を売り込むための、便利な「隠れ蓑」になってしまう危険性をはらんでいるのです。
私たちが「この会社はSDGsに貢献しているから素晴らしい」と安易に信じてしまうことは、結果的にSDGsウォッシュに加担することになりかねません。理想をきれいごとで終わらせないためには、まずこの現実を直視する必要があるでしょう。
胡散臭い?SDGsに渦巻く利権の闇
「SDGsって、なんだか胡散臭い…」と感じる原因の一つに、その周りに渦巻く「利権」の存在が挙げられます。
2015年に国連で採択されて以降、SDGsは巨大なマーケットを生み出しました。SDGsコンサルタント、SDGs関連の認証ビジネス、SDGsをテーマにしたセミナーや研修…。これらの中には、本当に社会を良くしようと活動しているものもあれば、ブームに乗じて利益を上げることだけが目的となっているケースも少なくありません。
特に問題視されるのが、公的な補助金や助成金をめぐる動きです。SDGsに取り組む企業や団体には、国や自治体から多額の資金が投入されることがあります。この仕組みが、本来の目的から逸脱し、補助金を得ること自体が目的化してしまう「補助金ビジネス」の温床になっているとの指摘もあるのです。
一部のコンサルタントや団体が情報を独占し、高額な費用で企業を支援する。その結果、本当に資金を必要としている現場ではなく、一部の「SDGs専門家」の懐にだけお金が流れ込む…。そんな不透明な構造が生まれつつあります。
「誰一人取り残さない」という理念とは裏腹に、情報や資金が一部の人々に集中するこの状況は、まさにSDGsが抱える深刻な闇と言えるのではないでしょうか。
ジェンダー平等の矛盾?日本の男性が感じる「逆差別」という不公平感
SDGsの目標の中でも、特に私たちの生活に身近で、賛否両論を巻き起こしているのが目標5「ジェンダー平等を実現しよう」です。
性別による差別をなくし、誰もが個性と能力を発揮できる社会を目指す。この理念に異を唱える人はいないでしょう。しかし、その実現に向けた施策が、新たな不公平感を生んでいる側面も無視できません。
日本では「女性活躍推進」の名の下、様々な制度が導入されてきました。その代表例が、大学や企業における「女性枠(女子枠)」の設置です。これは、歴史的に不利な立場に置かれてきた女性の機会を確保するための積極的改善措置(アファーマティブ・アクション)とされています。
しかし、この制度によって「能力は自分の方が高いはずなのに、女性というだけで相手が合格した」と感じる男性が出てきているのも事実です。これは、個人の努力ではどうにもならない「性別」という属性によって機会が奪われる「逆差別」ではないか、という声が上がるのは当然のことかもしれません。
観点 | 理想とされるジェンダー平等 | 現実で起きている課題 |
---|---|---|
機会の平等 | 性別に関わらず、誰もが能力に応じて評価され、機会を与えられる社会。 | 「女性枠」などにより、実力よりも性別が優先されるケースが生じ、男性の不公平感につながっている。 |
困難への支援 | 性別を問わず、困難を抱えるすべての人が適切な支援を受けられる。 | 女性向けの支援は手厚くなる一方、男性の困難(DV被害、性的被害、生きづらさ等)への公的支援は不足しがち。 |
社会のイメージ | 「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という固定観念からの解放。 | 「女性は保護されるべき存在」という前提が強化され、男性に「強さ」や「我慢」を強いる風潮は根強く残る。 |
もちろん、日本社会に根強い男女格差が依然として存在することは間違いありません。だからこそ、こうした歪みや矛盾から目をそらさず、本当に目指すべき「平等」の形を議論し続けることが不可欠なのです。
>Q:「SDGs 0番 人類をなくそう」というワードが、ネット上で都市伝説として話題になって…
思考停止はNG!SDGsの「闇」と向き合い、私たちができること
ここまで、SDGsが抱える「闇」や「矛盾」について切り込んできました。SDGsウォッシュ、利権問題、そしてジェンダー平等の逆差別。これらの不都合な真実を知ると、「やっぱりSDGsなんて意味ないじゃないか」と感じてしまうかもしれません。
しかし、思考停止に陥ってしまうことこそ、最も避けなければならない事態です。大切なのは、SDGsを盲目的に信奉したり、逆に頭から否定したりするのではなく、批判的な視点を持って向き合うことではないでしょうか。
その上で、私たち一人ひとりができることは何でしょう。
一つは、企業の「SDGsウォッシュ」を見抜く目を持つことです。カラフルなロゴや美辞麗句(立派らしく聞こえる文句。美しく見える字句)に惑わされず、その企業が本当に社会や環境に対して誠実な行動をとっているのか、その背景まで想像力を働かせる。そして、表面的なアピールだけでなく、本質的な課題解決に取り組む企業や商品を積極的に選ぶことが、社会を良い方向へ動かす一票となります。
もう一つは、対話を諦めないことです。特にジェンダー平等の問題のように、立場によって意見が分かれるテーマこそ、感情的な対立で終わらせてはいけません。「逆差別だ」と声を上げる男性の不満と、「まだ不平等だ」と訴える女性の困難。その両方に耳を傾け、どうすれば誰もが生きやすい社会になるのか、粘り強く議論を重ねていく必要があります。
まとめ
SDGsは、どこかの誰かが与えてくれる「完成された答え」ではありません。それは、より良い未来を模索するための「議論の出発点」です。その光と闇の両方を直視し、理想の形を常に見直し、再定義していく。その不断の努力こそが、SDGsという壮大な目標を、本当の意味で実現させる唯一の道なのかもしれません。
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