「マスターカートン」という言葉、通販サイトやSNSのカードゲーム界隈で目にしたことはありませんか?
「カートン買い」は聞いたことがあっても、マスターカートンとなると少し馴染みがないかもしれませんね。
結論から言うと、マスターカートンとは「複数のカートンをさらにひとつにまとめた大きな外箱」のことを指します。
ただの「大きな箱」ですが、実はトレーディングカードゲーム(TCG)においては、高レアリティカードの封入率に関わる非常に重要な単位となるのです。
この記事では、マスターカートンの基本的な意味から、TCGにおける具体的な入数、そしてコレクターが気にするべき「封入率」との関係までを分かりやすく解説します。
マスターカートン(マスカ)とは?言葉の定義と構造
まずは言葉の基本的な意味を整理しましょう。
マスターカートン(Master Carton)とは、物流や貿易の現場で使われる梱包単位の一つです。
ネット上や会話の中では「マスカ」と略されることもあります。
私たちが普段お店で見かける商品は、以下のような段階を経て梱包されています。
1. 個包装(商品そのもの)
2. 内箱(インナーボックス):個包装をいくつかまとめた箱。
3. 外箱(アウターカートン):内箱を輸送用にまとめた段ボール。
4. マスターカートン:さらに複数の外箱をまとめた最大単位の箱。
一般の消費者が手にするのは「個包装」や「内箱(BOX)」までが多いでしょう。
しかし、卸業者や大規模な小売店、あるいは大量購入をするヘビーユーザーの間では、このマスターカートン単位での取引が行われています。
つまり、一番外側の「親玉」のような箱だとイメージすれば分かりやすいですね。
物流においては、このマスターカートンに伝票を貼り、パレットに積んで輸送を行います。
【トレカ用語】マスターカートンとカートンの違い・数量
ここからは、特に質問の多い「トレーディングカードゲーム(TCG)」におけるマスターカートンについて深掘りします。
TCGプレイヤーにとって、BOX(ボックス)やカートンは馴染み深い言葉ですが、マスターカートンはどれくらいの量なのでしょうか。
一般的な構成を表にまとめてみました。
| 単位 | 一般的な入数(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 1パック | カード5〜10枚程度 | 最小単位。コンビニ等で買える形。 |
| 1BOX | 10〜30パック | シュリンク(ビニール)に包まれた箱。 |
| 1カートン | 12〜30BOX | 茶色の段ボールに入った状態。 ※30BOX入りの場合もあり。 |
| 1マスターカートン | 3〜4カートン | 複数のカートンを結束バンド等でまとめた状態。 |
このように、1マスターカートン = 3〜4カートン という構成になることが一般的です。
仮に「1カートン=18BOX」の商品で、「1マスターカートン=3カートン」という仕様が存在した場合、1マスターカートンを買うと一気に54BOX(!)が届く計算になります。
自宅に届くと玄関が埋まってしまうほどの量ですが、これだけ大量に購入する人がいるのには、明確な理由があります。
「マスターカートン」は公式用語ではない?
ひとつ注意したいのは、多くの国内TCGメーカーにおいて「マスターカートン」は公式の販売単位として明言されていない点です。
例えば、ブシロード製品やポケモンカードなどでは、公式の商品情報に「カートン」までの記載はあっても、「マスターカートン」という記述は見当たらないことがほとんどです。
この言葉は、主に以下のようなケースで使われています。
- 物流上の梱包単位:問屋に納品される際、便宜上まとめられている大箱。
- ユーザー間の俗称:カートンを超える大量購入や、封入率の偏りを語る際の単位として。
- 海外版製品:海外からの輸入製品では、輸送コスト削減のために明確に設定されていることがある。
そのため、ショップで「マスターカートンください」と言っても通じない場合や、そもそも存在しない(カートンが最大単位)場合も多いことを覚えておきましょう。
なぜ重要?マスターカートンと「封入率」の秘密
なぜ、公式単位ですらないかもしれない「マスターカートン」という言葉が飛び交うのでしょうか。
それは、転売やコレクションの目的以上に「封入率(排出率)」の偏りを攻略するためです。
TCGには、1カートンに1枚しか入っていない「カートンヒット」と呼ばれる高レアリティカードが存在します。
しかし、稀にそれよりもさらに確率の低い「数カートンに1枚」級のカードが設定されている(のではないかと噂される)場合があります。
「数カートンで1枚」の確率を追う
コレクターによる検証や開封結果の報告によると、以下のようなパターンが推測されています。
・カートン単位では偏りがある
特定の最上位レアカードが、Aのカートンには0枚、Bのカートンには1枚、といった偏りが出る。
・複数カートン(マスター相当)なら確率が収束?
メーカーが出荷する際の、さらに大きなロット(3〜4カートン分など)で見ることで、最上位レアが含まれる確率が高まるのではないか、という説。
このように、「絶対に目当てのカードを自引きしたい」「確率のブレをなくしたい」と考える層にとって、仮想的な単位としての「マスターカートン(複数カートン分)」は非常に魅力的な選択肢となるのです。
あくまで「統計的にそうなることが多い」という経験則であり、メーカー公式の仕様ではありませんが、Reバースなどの一部タイトルでは「3カートンでSSP(スーパースペシャル)などの最上位レアが出る確率が高い」といった情報がユーザー間で共有されることもあります。
物流・貿易における本来の役割
少し視点を変えて、本来の「物流用語」としてのマスターカートンについても触れておきます。
輸入ビジネスやせどりを行っている方にとっても、この知識は役立ちます。
海外から商品を輸入する場合、送料は「容積重量(箱のサイズ)」で決まることが多いです。
小さな箱(カートン)をバラバラに送ると、個数分の基本料金がかかったり、紛失のリスクが高まったりします。
そこで、複数のカートンを大きな「マスターカートン」にまとめることで、以下のメリットが生まれます。
・送料の削減:隙間を減らし、まとめて送ることでコストダウン。
・ダメージ軽減:外箱が二重になるため、中の商品箱(化粧箱)が傷つきにくい。
・検品の効率化:個数を数える手間が減る。
もし海外通販や輸入仕入れをする際に「Master Carton Qty(マスターカートン入数)」という表記を見かけたら、「この箱の中に商品がいくつ入っているか」を確認するようにしましょう。
まとめ:マスターカートンは「箱の親玉」
今回は、マスターカートンの意味やTCGにおける重要性について解説しました。
記事のポイントをまとめます。
・定義:複数のカートンをさらにまとめた、出荷用の大きな外箱。
・入数:TCGでは「1マスター=3〜4カートン」とされることが多い。
・実態:国内TCGでは公式単位でないことが多いが、封入率攻略の目安として使われる。
・物流:輸入や輸送のコスト削減、破損防止のために使われる。
一般的なファンであれば「BOX買い」や「カートン買い」で十分楽しめますが、確率の壁を超えたいガチ勢にとっては、マスターカートン(複数カートン)こそが真の戦場なのかもしれません。
もしショップやSNSで「マスカ」という言葉を聞いたら、「ああ、あの巨大な箱のことか」と思い出してくださいね。









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