名字でよく使われる「原」という漢字。「私の名字の『原』は、上の点がなくて、中の部分が『日』なんです」という方がいらっしゃいますよね。
名簿作成や宛名書きで、この「点なしの原」を入力しようとしても、変換候補に出てこなくて困った経験はありませんか?
結論から言うと、この漢字は環境依存文字のため、通常の変換では出にくい場合があります。最も確実な出し方は以下の通りです。
- パソコン(Windows):「20A64」と入力してF5キーを押す
- スマホ(iPhone/Android):この記事からコピペしてユーザー辞書に登録する
この記事では、Windowsやスマホでの具体的な入力手順と、ずっと使いやすくするための辞書登録方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
「原」の点なし(𠩤)は旧字?異体字?仕組みを解説
まずは、今回入力したい漢字の正体について少しだけ触れておきましょう。私たちが普段使っている「原」と、点のない「原(𠩤)」。この点なしバージョンは、厳密には「旧字」ではなく「異体字(いたいじ)」と呼ばれるものです。
「原」という字は、がんだれの中に「泉」の源流を表す文字が入っています。標準的な字体では、がんだれの下の「白」の上に小さな「点」がありますが、異体字ではこの点がなく、中身が「日」のようになっています。
戸籍上の氏名などで使われていることが多く、公的な書類やこだわりを持った名刺作成などでは、正確に使い分ける必要があります。しかし、パソコンやスマホの標準的なフォントセット(常用漢字)には優先的に表示されないため、「出し方が分からない」という問題が頻発するのです。
それでは、次項から具体的な出し方をデバイス別に見ていきましょう。
パソコン(Windows)で「原」の点なしを入力する2つの方法
Windows 10やWindows 11のパソコンを使っている場合、通常の「はら」という読みからの変換では、候補の下の方まで探しても見つからないことがあります。そんな時に使える、魔法のようなテクニックと確実な方法をご紹介します。
方法1:魔法のコード「20A64」とF5キーを使う
これが最も手っ取り早く、プロっぽい方法です。Windows標準の「Microsoft IME」には、Unicode(文字コード)を直接入力して漢字に変換する機能が備わっています。
※Google日本語入力やATOKをお使いで上手くいかない場合は、一時的に右下のアイコンから「Microsoft IME」に切り替えて試してみてください。
手順は非常にシンプルです。
- メモ帳やWordを開き、入力モードを「あ(ひらがな)」にする。
- キーボードで20A64と入力する。(「20あ64」と表示されてOK)
- エンターキーを押さず、そのままキーボード上部のF5キーを押す。
- 変換候補に「𠩤」が表示されるのでクリックして確定。
この「20A64」というのは、点なしの原に割り当てられた住所のような番号(コード)です。アルファベットのAは大文字でも小文字でも構いません。この方法なら、どんなに変換候補が多くても一発で呼び出すことができます。
方法2:IMEパッド(手書き入力)で探す
コードを覚えるのが面倒な場合や、うろ覚えの漢字を探したい場合は「IMEパッド」が有効です。マウスを使って手書きで文字を探せます。
タスクバーの「あ」や「A」と表示されているアイコンを右クリックし、「IMEパッド」を選択してください。手書き入力の画面が出たら、「原」という字をマウスで書いてみましょう。
右側の候補一覧に、通常の「原」に混じって、点のない異体字バージョンも表示されるはずです。特に異体字の候補には[異]などの注釈がついている場合があるので、よく形を確認して選択してください。
スマホ(iPhone・Android)で点なしの「原」を出す手順
次にスマートフォンの場合です。残念ながら、スマホの標準キーボードで「はら」と打っても、点なしの漢字は変換候補に出てこないことがほとんどです。
そのため、基本戦略は「コピペ」と「辞書登録」の合わせ技になります。
基本はサイトからのコピペが最速
スマホで今すぐ入力したい場合は、以下の文字を長押し、またはコピーボタンでコピーしてください。
𠩤
※お使いの機種によっては、ここが四角い枠(□)や「?」で表示されることがありますが、文字データとしては正しく存在しています。気にせずコピーして大丈夫です。
毎回使うなら「ユーザー辞書」へ登録しよう
自分の名字がこの漢字である場合など、頻繁に入力するなら「ユーザー辞書」への登録が必須です。一度登録してしまえば、通常の変換と同じように呼び出せるようになります。
iPhone(iOS)の場合
「設定」アプリを開き、「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」と進みます。右上の「+」マークをタップし、以下のように入力して保存します。
- 単語:𠩤(さっきコピーした文字を貼り付け)
- よみ:はら
Androidの場合
機種によりますが、一般的には「設定」→「システム」→「言語と入力」→「単語リスト(またはユーザー辞書)」から追加できます。Gboardをお使いの場合は、キーボード設定から「単語リスト」を選んで同様に登録してください。
Macユーザーの場合
Macをお使いの場合は、標準機能の「文字ビューア」を使用します。
- メニューバーの入力メニュー(「あ」など)をクリックし、「絵文字と記号を表示」を選択。
- 検索窓に「原」と入力。
- 関連する文字一覧に点なしの「𠩤」が表示されるので、ダブルクリックで入力します。
デバイス別の入力方法比較まとめ
ここまでの入力方法を、デバイスや状況に合わせて表にまとめました。ご自身の環境に合わせて最適な方法を選んでください。
| デバイス | おすすめの方法 | メリット | 難易度 |
|---|---|---|---|
| Windows PC | コード入力(20A64 + F5) | 最も確実で速い | 易しい |
| Windows PC | IMEパッド(手書き) | 直感的に探せる | 普通 |
| iPhone / Android | コピペ&辞書登録 | 一度設定すれば楽 | 普通 |
| Mac | 文字ビューア | 標準機能で探せる | 普通 |
PCで頻繁に使う場合も、スマホと同様に「単語登録」をしておくことを強くおすすめします。Windowsなら、タスクバーの「あ」を右クリックして「単語の追加」を選び、「単語:𠩤」「よみ:はら」と登録するだけで完了です。
【要注意】点なし「原」を使う際のリスクと対策
無事に入力できたとしても、安心してはいけません。実はこの「𠩤(点なしの原)」は、環境によっては相手に見えない「文字化け」のリスクが高い文字なのです。
この文字は「サロゲートペア」や「環境依存文字」と呼ばれる特殊な領域に含まれています。そのため、LINEやメールで送った際、相手のスマホが古い機種だったり、対応していないフォントを使っていたりすると、文字が正しく表示されません。
Webフォームでの入力はエラーになることも
通販サイトの住所入力や、会員登録の氏名欄などでこの文字を使うと、「使用できない文字が含まれています」とエラーが出ることがあります。システムのデータベースが、この特殊な文字に対応していないためです。
その場合は、こだわりを捨てて通常の「原」で入力するか、備考欄があれば「※名字の原は点がありません」と注釈を入れるのが大人の対応と言えるでしょう。大切なのは「相手に正しく情報を伝えること」ですので、臨機応変に使い分けることが大切です。
【コピペOK】橋の「旧字体」は間違い?異体字「𣘺」の出し方とPC・スマホ入力ガイド
まとめ
「原」の点なし文字(𠩤)の出し方について解説しました。特殊な異体字であるため、通常の変換では出しにくいですが、以下の方法を使えばスムーズに入力できます。
- Windows:「20A64」と入力してF5キーを押すのが最強の裏技(Microsoft IME推奨)。
- スマホ:この記事の文字(𠩤)をコピーして、ユーザー辞書に「はら」で登録する。
- 注意点:相手の環境によっては文字化けする可能性があるため、Webフォームなどでは常用漢字の「原」を使うのが無難。
名字はアイデンティティに関わる大切なものです。今回ご紹介した方法で、正しい漢字をストレスなく入力できる環境を整えてみてくださいね。









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