「最近、SNSや動画サイトで『バ美肉』という言葉を見かけるけど、一体どういう意味なんだろう?」
そんな風に思ったことはありませんか?
この記事では、VTuberの世界でよく使われる「バ美肉」の基本的な意味や使い方を、例文や比較表を交えてわかりやすく解説します。
バ美肉とは?基本的な意味をわかりやすく解説
結論から言うと、「バ美肉」とは「バーチャル美少女受肉(じゅにく)」という言葉を略したネットスラングです。
もう少し具体的に説明すると、主に男性が、VR(仮想現実)空間やVTuber(バーチャルYouTuber)活動などで、見た目が「美少女」のアバターを使い、そのキャラクターとして活動することを指します。
「受肉」という、少し聞き慣れない言葉が使われているのがポイントです。これは本来、宗教的な文脈で「神が人の肉体を得て現れること」を意味しますが、ネットカルチャーでは「魂(=操作している人)が、アバターという仮想の肉体を得る」というニュアンスで使われています。
つまり、単にキャラクターを操作するだけでなく、そのキャラクターに魂を宿らせて、なりきって活動する、という深い意味合いが込められているのです。この言葉は、2017年頃からVTuber文化の広がりと共に使われ始め、今ではネット上で広く認知されるようになりました。
バ美肉の具体的な使い方【例文付き】
「バ美肉」の意味がわかったところで、実際の会話やSNSでどのように使われるのか、具体的な例文を見ていきましょう。
文脈によって少しずつニュアンスが変わるのが面白いところです。
例文1:VTuberの話題で
「最近ハマってる〇〇ちゃんってVTuber、実はバ美肉らしいよ。トークが面白いから性別とか気にならないけどね。」
このように、VTuberの「中の人」がアバターの見た目と違う性別である、という事実を説明する際に使われます。特に、美少女アバターを男性が操作している場合に限定して使われることが多い表現です。
例文2:自分の状況を説明するとき
「VRの世界で理想の自分になるために、思い切ってバ美肉してみた。新しい友達もできて毎日が楽しい!」
こちらは、自分自身が美少女アバターを使って活動を始めたことを表現する使い方です。「バ美肉する」「バ美肉した」のように、動詞として使うこともできます。
例文3:人を指す言葉として
「あの人は界隈でも有名なバ美肉おじさんだ。」
「バ美肉」をしている人を指して、「バ美肉おじさん(略してBJO)」と呼ぶこともあります。これは、美少女アバターを使っている男性を指す愛称のような言葉ですが、相手への敬意を欠いた表現と受け取られる可能性も十分にあります。親しい間柄でない限り、使用は避けた方が賢明でしょう。
女性が美少女アバターを使う場合
女性が自身の性別と同じ「美少女アバター」を使って活動する場合にも、性別に関わらず「美少女アバターを使って活動すること」全般を、広い意味で「バ美肉」という場合があります。
ただ、「VTuberとして活動している」「〇〇というアバターを使っている」のように、より直接的な表現を使うのが無難でしょう。
バ美肉の言い換え・類義語は?【比較表】
「バ美肉」と似たような状況で使われる言葉はいくつかありますが、それぞれニュアンスが異なります。「もっとしっくりくる言葉はないかな?」と感じたときのために、言い換え表現や類義語を比較表にまとめました。
言葉 | 意味・ニュアンス | 使い方のポイント |
---|---|---|
バ美肉 | (主に男性が)美少女アバターに受肉すること。中の人の性別とアバターの性別のギャップが最大の特徴。 | VTuberやVRの文脈で、性別の転換を伴う場合に最も的確な表現。 |
VTuber | バーチャルYouTuberの略。アバターを使って動画投稿や配信活動をする人全般を指す。 | 性別やアバターの種類を問わない最も広い表現。活動内容に焦点を当てたいときに使う。 |
アバター活動 | アバターを使って何らかの活動をすること。VRChatでの交流やゲームなども含まれる。 | YouTubeなどに限定せず、仮想空間での活動全般を指したい場合に便利。 |
なりきり | 特定のキャラクターになりきって振る舞うこと。ロールプレイングの一種。 | アバターの見た目だけでなく、性格や言動までキャラクターになりきる点を強調したいときに使う。 |
このように、何を一番伝えたいかによって使うべき言葉が変わってきます。
単に「アバターを使っている」ことを伝えたいなら「VTuber」や「アバター活動」が適切ですし、「性別を変えて活動している」という点を強調したいなら「バ美肉」がしっくりくるでしょう。
なぜバ美肉をするの?その心理や目的とは
そもそも、なぜ現実の性別とは違う「美少女」のアバターを選んで活動するのでしょうか。その理由や心理は人それぞれですが、主に以下のような目的が考えられます。
「なりたい自分」になる願望
最も大きな理由の一つが、「理想の自分になりたい」という変身願望です。
現実の世界では、性別、年齢、容姿といった要素から完全に自由になることは難しいでしょう。しかし、バーチャルな世界なら、そうした制約を取り払って「なりたい自分」の姿でコミュニケーションができます。
「かわいい女の子になってみたい」「理想のキャラクターとして生きてみたい」という純粋な憧れが、バ美肉への大きなモチベーションになっているのです。
コミュニケーションの円滑化
「美少女」というキャラクターは、多くの人にとって親しみやすく、コミュニケーションのきっかけを作りやすいという側面もあります。
例えば、視聴者との交流がメインとなるVTuber活動において、親しみやすいアバターはファンを獲得する上で有利に働くことがあります。
また、ボイスチェンジャー(声を変える機材)を使って声も女性的に変える人が多いですが、あえて地声のまま活動し、見た目と声の「ギャップ」を魅力としてファンを惹きつけるケースも少なくありません。これも一つのコミュニケーション戦略と言えるでしょう。
新しい自己表現の手段として
自分の内面や創造性を表現する、全く新しいアートの形としてバ美肉を捉えている人もいます。
アバターのデザイン、声、話し方、キャラクター設定など、そのすべてを自分で創り上げ、一つの「作品」として世に送り出すのです。
現実の自分とは切り離された「バーチャルな別人格」だからこそできる、大胆で自由な表現活動。バ美肉は、クリエイターにとって無限の可能性を秘めた表現の舞台でもあるのです。
まとめ
今回は、「バ美肉」という言葉について、その意味や使い方、関連する用語などを詳しく解説しました。
「バ美肉」は、単なるネットスラングというだけでなく、バーチャル時代における新しい自己表現の形であり、多様な生き方を模索する現代的なカルチャーの一つです。
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