キラキラネームは禁止?2025年戸籍法改正のポイント【規制への賛否の声は】

キラキラネームは禁止?2025年戸籍法改正のポイント【規制への賛否の声は】

「自分の子どもに、世界で一つだけの素敵な名前をつけたい」

そんな親心から生まれる個性的な名前。一方で、それらは「キラキラネーム」と呼ばれ、社会的な議論を呼ぶことも少なくありません。

実は、これまで明確なルールがなかった名前の「読み仮名」について、2025年5月26日に改正戸籍法が施行され、一定のルールが設けられました。

この記事では、キラキラネーム規制の最新情報から、その背景にある賛否両論、さらには子どもへの影響まで、分かりやすく解説します。名前選びで悩んでいる方も、ニュースが気になっている方も、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

キラキラネームとは?定義と生まれる背景

そもそも「キラキラネーム」とは、どのような名前を指すのでしょうか。実は、法律などで定められた明確な定義はありません。一般的には、伝統的な名前から外れた、個性的でユニークな読み方や漢字を使う名前を総称して使われています。

時代を映すキラキラネームの具体例

キラキラネームと聞いて、皆さんはどんな名前を思い浮かべますか?

これまで、メディアなどで話題になった例としては、以下のようなものがあります。

※ただし、これらはメディアやネット上で話題になった名前であり、実際に戸籍に登録されたかどうかが確認できていないケースも含まれます。

  • キャラクターに由来する名前
    • 光宙(ぴかちゅう)
    • 七音(どれみ)
  • 外国語やイメージを当て字にした名前
    • 心愛(ここあ)
    • 海(まりん)
    • 皇帝(しいざあ)
  • 漢字を分解・創作した名前
    • 美望(にゃも)

これらの名前は、親が「他とは違う特別な子に育ってほしい」という願いを込めた結果でしょう。アニメやゲームの普及、国際化、SNSでの発信文化など、個性を重視する現代の空気感が、こうした自由な発想の名前を生み出す背景にあると考えられます。

キラキラネーム一覧!実在例と後悔しないための注意点

【2025年5月施行済】キラキラネーム規制!戸籍法改正の2つのポイント

2025年5月26日に施行された改正戸籍法により、名の読み仮名(振り仮名)に関するルールが初めて法制化されました。これは「キラキラネームを全て禁止する」というものではなく、「子の利益を著しく害するような、行き過ぎた名前を防ぐ」のが目的です。

ポイントは、大きく分けて「これから生まれる子」と「既に戸籍がある人」の2点です。

ポイント1:これから生まれる子の命名ルール

出生届を出す際の読み仮名には、以下の基準が設けられました。

  1. 漢字の意味や読み方からかけ離れた読みはNG
    →例:「太郎」を「まいける」と読むなど、漢字との関連性が全くないもの。
  2. 読み間違えやすい、あるいは性別を誤解させる読みはNG
    →例:「高」を「ひくし」と読むなど、反対の意味になるもの。
  3. 公序良俗に反する読みはNG
    →例:差別的、卑猥、侮辱的な意味合いを持つもの。
    ※法務省の指針では具体的なNG例は明示されていませんが、社会通念上、不適切とされる読みは認められないと解釈されています。

市区町村の役所は、出生届の受理時にこの基準に照らして審査し、もし基準から外れると判断した場合は、届出が受理されない可能性があります。

ポイント2:既に戸籍がある人の読み仮名登録

既に戸籍がある全国民には、住民票の情報を基にした「仮の振り仮名」が市区町村から通知されます。

  • 通知された読み仮名が正しい場合:手続きは不要です。
  • 間違っている、または登録したい読み仮名がある場合:施行から1年以内(2026年5月26日まで)に、市区町村役場へ届け出る必要があります。

期限内に届け出がなければ、通知された仮の振り仮名が自動的に登録されます。

参考:戸籍法改正 戸籍に振り仮名が記録されます(法務省)

結局どうなる?キラキラネームをめぐる賛否両論

今回の法改正に至るまで、キラキラネームの規制については長年議論が交わされてきました。それぞれの意見を比較してみましょう。

論点賛成意見(規制すべき)反対意見(自由を尊重すべき)
子どもの人権名前が原因のいじめや偏見から守るべき。親が子を想う気持ちの表現であり、個性の一つ。
社会生活読み方が分からず、社会的混乱や事務手続きのミスを招く。多様性や文化を尊重すべき。時代と共に名前の常識は変わる。
個人の自由子どもの将来の利益が、親の表現の自由より優先される。命名は親に与えられた基本的な権利であり、過度な介入は避けるべき。
規制の基準明確なルールを設けることで、公平性を担保できる。何が「不適切」かを誰がどう判断するのか、基準が曖昧で不公平。

賛成派は「子どもの保護」や「社会的な分かりやすさ」を重視し、反対派は「親の権利」や「個性の尊重」を重んじていることが分かります。今回の法改正は、これらの意見のバランスを取ろうとした結果と言えるでしょう。

キラキラネームが子どもに与える影響

名前は、一生付き合っていく大切なアイデンティティの一部です。個性的な名前が子どもに与える影響には、どのようなものがあるのでしょうか。

メリット:覚えてもらいやすく個性が際立つ

ユニークな名前は、一度聞いたら忘れられにくいというメリットがあります。初対面の場でも名前がきっかけで会話が弾んだり、自分の名前に愛着を持ってポジティブな自己肯定感を育んだりするケースも少なくありません。

他の人にはない特別な名前は、その子の個性を象徴し、自信につながる可能性も秘めているのです。

デメリット:いじめや偏見、将来への影響も

一方で、名前の読み方を何度も訂正しなければならない、自己紹介で笑われる、といった経験からコンプレックスを感じる子がいるのも事実です。

また、就職活動の際に、採用担当者に「常識がない親に育てられたのでは」という先入観を抱かれてしまう可能性もゼロではありません。奇抜すぎる名前が、本人の意図しないところで社会的な偏見にさらされるリスクは、親として考えておくべき点だと言えます。

まとめ:大切なのは、子どもの未来を想う気持ち

今回は、キラキラネームの規制に関する改正戸籍法の内容と、それを取り巻く様々な意見について解説しました。

2025年5月に施行された戸籍法改正は、すべての個性的な名前を禁止するものではありません。あくまで、子どもが社会で不利益を被るような、極端なケースを防ぐためのルールです。

名前は、親が子どもに贈る最初のプレゼント。

その名前にどんな願いを込めるのか、その名前で呼ばれる子どもがどんな人生を歩んでいくのか。

流行や見た目のインパクトだけでなく、子どもの未来にまで想像力を働かせることが、何よりも大切なことではないでしょうか。この記事が、あなたにとって最高の名付けのヒントになれば幸いです。

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