「葛の下がヒの漢字」の出し方は?パソコン・スマホでの入力方法を徹底解説

パソコンやスマホで「くず」と入力して変換しても、下の部分が「ヒ」ではなく、中に「人」が入ったような形の「葛」が出てしまい、困っていませんか?
人名や地名を入力する際など、どうしても「下がヒの葛」を出さなければならない場面は意外と多いものです。
結論からお伝えすると、パソコン(Windows/Mac)やスマホ(iPhone/Android)で「葛の下がヒの漢字」を出す最も手っ取り早い方法は、「表示される文字をコピーして単語登録する」か、「パソコンのフォント設定を変更する」ことです。
この記事では、なぜ「葛の下がヒの漢字」が普通に出せなくなってしまったのかという驚きの理由から、パソコン・スマホ別の具体的な出し方、そして今すぐ使えるコピペ用の文字までを徹底解説します。
読めばすぐに設定できる具体的な入力方法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ「葛」の下が「ヒ」にならない?文字が変わる理由
以前のパソコンや携帯電話では、「葛」と入力すれば当たり前のように下が「ヒ」の漢字が表示されていました。
しかし、最近のパソコンやスマートフォンでは、標準で入力すると下が「人」のような形(正しくは『匂』に近い形)の「葛」が表示されるようになっています。
実はパソコンやスマホが壊れたわけではなく、日本の文字規格である「JIS規格」が変更されたことが大きな原因なのです。
ここでは、なぜ私たちが普段使う漢字の形が変わってしまったのか、その歴史的背景や理由について詳しく解説していきます。
理由を知っておくと、他の漢字で同じ現象が起きた時にも焦らず対応できるようになります。
JIS規格の変更(JIS90とJIS2004の違い)が最大の原因
パソコンやスマートフォンで日本語を表示するためには、「JIS規格(日本産業規格)」というルールが使われています。
1990年に制定された「JIS90」という古いルールでは、「葛」の標準的な字形は下が「ヒ」の形として定められていました。
そのため、一昔前のパソコン環境では、変換すれば自然と「ヒ」の形の葛が表示されていたのです。
しかし、2004年に「JIS2004(JIS X 0213:2004)」という新しい規格が発表されました。
この改定により、国語審議会の答申に合わせて、168文字の漢字の「標準の形(例示字形)」が変更されることになったのです。
その変更対象の一つが「葛」であり、JIS2004では下が「人(匂の形)」の形が標準とされました。
参考:字形規格「JIS2004」と「JIS90」〜当サービスのデザイン利用書体
Windows Vista以降のOSや、近年のmacOS、iPhone、Androidなどの標準フォントは、この新しい「JIS2004」を採用しています。
その結果として、現代の端末で普通に文字を入力すると、新しい規格である「下が人の葛」が表示されるというわけです。
「ヒ」と「人」、どちらの漢字が正しいの?
規格が変わったと聞くと、「では、下がヒの葛は間違った漢字になってしまったの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、どちらの「葛」も間違いではなく、正しい漢字として認められています。
JIS2004で標準とされた「下が人の葛」は、実は昔から存在する「正字(本来の正しい漢字)」です。
一方で、私たちが長年親しんできた「下がヒの葛」は、「異体字(意味や読みは同じだが、形が少し異なる漢字)」と呼ばれます。
異体字は、長い歴史の中で筆記のしやすさなどから生まれ、広く一般に定着したものです。
つまり、規格上は「人」が標準に戻っただけであり、「ヒ」の漢字が誤字になったわけではありません。
履歴書や一般的なビジネス文書などでどちらを使っても、基本的には問題視されることはないでしょう。
ただし、固有名詞(人名や地名)を扱う際には、その人が使っている戸籍上の文字や、自治体が定めた正式な文字に合わせるのがマナーとされています。
葛飾区や葛城市での使われ方の違い
同じ「葛」がつく地名でも、自治体によって正式に採用している漢字の形が異なることをご存知でしょうか。
実は、この字形の違いは全国の自治体でも対応が分かれている、非常に面白いポイントなのです。
例えば、東京都の「葛飾区」は、正式な表記としてJIS2004規格の「下が人の葛」を採用しています。
区の公式ホームページや公的な文書を見ても、しっかりと「人」の形が使われていることが分かります。
一方、奈良県の「葛城市」では、市章やロゴ、公式な表記において「下がヒの葛(JIS90規格)」を正式なものとして使用しています。
このように、同じ漢字であっても自治体や個人のこだわりによって使われる形が異なるため、パソコンやスマホでの出し方を知っておくことは非常に重要です。
「どちらでもいい」と安易に妥協せず、状況に合わせて正しい文字を入力できるスキルを身につけておきましょう。
【パソコン編】葛の下が「ヒ」の漢字の出し方・入力方法
パソコン(WindowsやMac)を使っていて「葛の下がヒの漢字」を出したい場合、いくつかの解決方法が存在します。
利用しているソフト(WordやExcelなど)や、文字を送る相手の環境によって最適な方法は異なります。
最も簡単で確実なのは「フォントを変更すること」ですが、場合によってはIMEパッドを使った入力や、高度な文字コードの指定が必要になることもあります。
ここでは、パソコン初心者の方でも実践できるように、4つの具体的な入力方法をステップごとに分かりやすく解説していきます。
ご自身の状況に最も適した方法を試してみてください。
フォントを変更して表示させる(最も簡単な方法)
「葛の下がヒの漢字」を表示させる最もシンプルで確実な方法は、使用するフォントを「JIS90規格に対応した古いフォント」に変更することです。
文字データ自体は同じ「葛」のままでも、見た目のデザインを司るフォントを変えるだけで、パッと「ヒ」の形に変化します。
Windowsの場合、標準の「メイリオ」や「游ゴシック」、「MS ゴシック」などはJIS2004対応なので「人」の形になります。
しかし、「HGゴシック」や「HG明朝」、あるいは「教科書体」「行書体」などのフォントに変更してみてください。
これらのフォントの多くは旧規格のJIS90をベースに作られているため、文字を選択してフォントを変えるだけで簡単に「ヒ」の葛が表示されます。
WordやExcelで文書を作成していて、自分の手元の印刷物だけを「ヒ」にしたい場合は、このフォント変更が一番手っ取り早い解決策となるでしょう。
フォント名の末尾に「N」がついているもの(例:HGゴシックM-PROなどに対して、末尾にNがないもの)を選ぶのがコツです。
IMEパッドを使って異体字から探す
フォントを変えずに文字そのものを指定したい場合は、Windowsの標準機能である「IMEパッド」を利用する方法があります。
IMEパッドを使えば、読み方が分からなくても漢字の形から異体字を探し出すことが可能です。
手順は以下の通りです。
まず、画面右下のタスクバーにある「あ」または「A」のアイコンを右クリックし、メニューから「IMEパッド」を選択して開きます。
次に、左側のアイコンから「文字一覧」をクリックし、Unicodeの「CJK統合漢字」のカテゴリーを探してください。
あるいは、手書きパッドで「葛」とマウスで書き、表示された候補の文字の上で右クリックをして「異体字の挿入」を選ぶことでも入力できます。
ただし注意点として、現在お使いの標準フォントがJIS2004規格の場合、IMEパッド上で異体字を選択しても、画面上の見た目は「人」のまま変わらないことがあります。
これはパソコンが「同じ文字コード」として認識しているためです。
その場合は、やはり前述の「フォント変更」と組み合わせて使用する必要があります。
単語登録(辞書登録)を利用する
毎回フォントを変更したり、IMEパッドを開いたりするのが面倒な方には、「単語登録(ユーザー辞書への登録)」を強くおすすめします。
一度設定してしまえば、次からは「くず」と入力して変換するだけで、お好みの「ヒ」の葛をすぐに出せるようになります。
設定方法は非常に簡単です。
まず、インターネット上の記事(この記事の後半にも用意しています)から「葛の下がヒの漢字」をコピーします。
次に、タスクバーの「あ」を右クリックして「単語の登録」または「ユーザー辞書ツール」を開いてください。
「単語」の欄に先ほどコピーした漢字を貼り付け、「よみ」の欄に「くず」と入力して登録ボタンを押すだけです。
この方法は、一度設定すればどのアプリケーションでも素早く呼び出せるため、作業効率が格段にアップします。
人名などで頻繁にこの文字を使う機会がある方にとっては、最も実用的でストレスのない方法と言えるでしょう。
異体字セレクタ(IVS)を使用する(上級者向け)
より専門的で確実な文字指定を行いたい場合は、「異体字セレクタ(IVS)」という仕組みを利用します。
これは「基本となる文字コード」の後ろに、「この形に変えて表示して」という指示を出す特殊なコード(タグ)を付け加える高度な技術です。
「葛」の場合、基本の文字コードは「U+845B」です。
これに対して、下がヒになる異体字を指定するセレクタ「U+E0100」などを組み合わせることで、明確に字形を区別してデータとして保持できます。
Wordなどの対応ソフトで「845BE0100」と入力し、「Alt」キーを押しながら「X」キーを押すと、異体字に変換される仕組みです。
参考:異体字セレクタについて|Sky Tech Blog
この方法はIT知識が必要な上級者向けですが、「文字データとして確実にヒの形を指定したい」という厳密な要件が求められるシステム開発や、公的文書のデータ作成においては必須の知識となります。
ただし、閲覧する側のパソコンやソフトが異体字セレクタに対応していないと正しく表示されないため、一般的なメールのやり取りなどでは注意が必要です。
【スマホ編】葛の下が「ヒ」の漢字の出し方・入力方法
パソコンとは異なり、iPhoneやAndroidといったスマートフォンでは、自由にフォントを変更することが難しいという特徴があります。
スマホの画面に表示される文字は、OS(iOSやAndroid)に組み込まれたシステムフォントに大きく依存しているからです。
現在のスマホのシステムフォントはほぼ全てJIS2004規格に対応しているため、普通に「くず」と打つと「下が人の葛」になってしまいます。
ここでは、そんな制限の多いスマートフォン環境でも、なんとかして「葛の下がヒの漢字」を出力するための現実的な解決策を詳しく解説します。
スマホでサクッと入力したい方は、ぜひチェックしてみてください。
コピー&ペーストしてユーザ辞書に登録(最も推奨)
スマートフォンで「葛の下がヒの漢字」を出す最も確実かつ手軽な方法は、Web上にある文字をコピーして「ユーザ辞書」に登録することです。
スマホの文字入力アプリ(キーボード)には、よく使う言葉を登録できる辞書機能が必ず搭載されています。
この記事の次の見出しで紹介している「コピペ用テキスト」から文字をコピーしてください。
iPhoneであれば「設定」アプリから「一般」→「キーボード」→「ユーザ辞書」と進み、右上の「+」ボタンをタップします。
「単語」にコピーした漢字を貼り付け、「よみ」に「くず」と入力して保存すれば完了です。
Androidの場合も、設定から「システム」→「言語と入力」→「単語リスト」などで同様に登録できます。
この方法なら、LINEやメール作成時に「くず」と打つだけで、変換候補に登録した文字が表示されるようになります。
スマホで異体字を扱う際の基本テクニックとなるため、ぜひ設定を済ませておきましょう。
iPhone(iOS)での入力方法と注意点
iPhoneをお使いの場合、iOSのバージョンや設定によっては、キーボードの長押し機能で異体字を出せるケースがあります。
しかし、「葛」に関しては、普通に文字を打って変換しても「人」の形しか出ないことがほとんどです。
たまに手書き入力キーボードを追加して、一生懸命「ヒ」の形で葛を書いてみる方がいます。
しかし、iPhoneのシステムフォント自体が「人」の形を基本としているため、手書きで正確に書いて認識されたとしても、最終的に画面に入力されるテキストは「人」の葛になってしまう現象が起きます。
これがスマホにおける「環境依存」の厄介なところです。
したがって、iPhoneでメールを打つ際などに「どうしても相手にヒの形で伝えたい」場合は、前述の辞書登録を活用するか、テキストではなく「画像」や「PDF」にして送信するなどの工夫が必要になります。
文字コードとしては同じなので、受け取る相手のスマホも新しい機種であれば、結局「人」に見えてしまうリスクがあることを覚えておいてください。
Androidスマホでの入力方法と注意点
Androidスマートフォンをお使いの場合も、基本的にはiPhoneと同じくシステムフォントに依存します。
Gboardなどの標準キーボードアプリで「くず」と入力しても、表示されるのは新しい規格の「下が人の葛」です。
Androidの中には、メーカー独自の設定でフォントを変更できる機種(GalaxyやAQUOSなど)も存在します。
設定画面の「ディスプレイ」からフォント変更メニューを探し、もし「教科書体」などのフォントが選べるようであれば、それに変更することでシステム全体の「葛」が「ヒ」の形に変わる可能性があります。
しかし、これはあくまで「自分自身のスマホ画面での見え方」が変わるだけです。
LINEで友達に送ったり、メールで取引先に送信したりした場合、相手のスマホが標準フォントのままであれば、相手の画面には「人」の葛として表示されます。
Androidでも、確実な文字指定が必要な場合は、文字化けや表示違いを防ぐためにPDF化して共有する手段が最も安全だと言えるでしょう。
すぐに使える!「葛の下がヒ」の漢字コピー用テキスト
ここまで様々な入力方法を解説してきましたが、「とにかく今すぐ使いたい!」「設定を読んでいる時間がない!」という方のために、コピー&ペーストしてすぐに使えるテキストをご用意しました。
以下の文字をそのままコピーして、WordやExcel、スマホのメモ帳などに貼り付けてご利用ください。
【コピー用】
葛󠄀
※上記の文字は、異体字セレクタ(U+E0100)を付与して出力しています。
お使いのパソコンやスマートフォンのブラウザ、または設定されているフォントによっては、画面上で下が「人」に見えてしまっている場合もあります。
その場合は、コピーした後にWordなどのソフトに貼り付け、フォントを「HGゴシック」などに変更してみてください。
コピペして使用する際の重要な注意点
ここでコピーした文字をメールやLINEで相手に送信する場合、一つだけ注意していただきたい非常に重要なポイントがあります。
それは、「相手の閲覧環境(デバイスやフォント設定)によっては、やっぱり『人』の葛に見えてしまう可能性がある」ということです。
文字コードの世界では、JIS2004への移行以降、「葛」の基本の背番号(文字コード)は一つに統合され、見た目の違いはフォント側に委ねられる傾向が強くなりました。
異体字セレクタを使って指定したとしても、相手の利用しているソフトがそれに対応していなければ、標準の「人」の形に戻って表示されてしまいます。
「絶対にヒの形でなければならない公的な書類」や「顧客の名前を正確に表示したデザインデータ」などを送る場合は、WordやExcelのまま送るのではなく、必ずPDF形式に変換してから送るようにしましょう。
PDFにすればフォントの形が画像のように固定されるため、相手の環境に左右されず、確実に「ヒ」の形を伝えることが可能になります。
なぜ?印刷すると「ヒ」になってしまう現象の解決法
ここまでは「ヒの葛が出ない」という悩みについて解説してきましたが、実は全く逆のトラブルで悩んでいる方も少なくありません。
「パソコンの画面上では『人』の葛になっているのに、プリンターで印刷すると勝手に『ヒ』の葛になって出てきてしまう」という不思議な現象です。
これは特に、少し古いプリンターを使っていたり、会社のネットワークプリンターを利用したりしている際によく発生します。
「葛飾区」と印刷したいのに、どうしても古い字形で出てきてしまって困惑するケースです。
ここでは、その原因と解決方法について紐解いていきましょう。
ExcelやWordでのプリンターフォント設定トラブル
画面と印刷結果が異なる最大の原因は、「プリンター内蔵フォントへの置き換え機能」が働いていることです。
多くのプリンターは、印刷を高速化するために、パソコンから送られてきた文字データをプリンター自身が持っているフォント(デバイスフォント)に置き換えて印刷する機能を持っています。
もし、お使いのプリンターが少し古い機種で、内蔵されているフォントが「JIS90規格(旧規格)」のままであった場合どうなるでしょうか。
パソコン側(JIS2004)では「人」のつもりでデータを送っても、プリンター側が「葛という文字コードが来たから、うちのフォントで印刷するぞ」と判断し、結果として旧規格の「ヒ」の形で紙に印字されてしまうのです。
この問題を解決するには、印刷設定を変更する必要があります。
プリンターのプロパティ(詳細設定)を開き、「フォントの置き換え」や「デバイスフォントを使用する」といった項目を探してください。
この機能を「無効(または『TrueTypeフォントとして印刷』)」に設定することで、パソコンの画面で見えている通りの文字の形で印刷されるようになります。
履歴書や公的書類を書く際はどっちを使うべき?
就職活動での履歴書や、役所に提出する公的な書類を作成する際、「葛」の字形をどちらにすべきか迷う方も多いでしょう。
「間違えたら不採用になるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。
前述の通り、「ヒ」も「人」もどちらも正しい漢字として社会的に認知されています。
自分の名前や住所に「葛」が含まれている場合は、戸籍や住民票に記載されている正式な字形に合わせるのが最も確実で誠実な対応です。
もし相手方の会社名や担当者名に「葛」が含まれている場合は、相手の名刺や企業の公式ホームページを確認し、そこに表記されている字形に合わせるのがビジネス上のマナーとなります。
手書きで作成する場合は、自分が書き慣れている方、あるいは相手が使っている方を意識して書けば問題ありません。
パソコンで履歴書を作成する際にどうしても思い通りの字形が出せない場合は、前述した「フォントの変更」テクニックを使って、見栄えを整えるようにしてください。
「葛」だけじゃない!形が変わって困りやすい漢字一覧
2004年のJIS規格変更(JIS2004)の影響を受けたのは、「葛」の漢字だけではありません。
全部で168文字もの漢字が、新しい標準字形へと変更されました。
そのため、「昔とパソコンでの漢字の出方が違う」と混乱を招きやすい文字は他にもたくさん存在しています。
名前や地名で頻繁に使われる漢字も多く含まれているため、知らないと思わぬところで相手の名前を間違えてしまうトラブルに発展しかねません。
ここでは、「葛」と同じように形が変わってしまって困りやすい、代表的な漢字をいくつかピックアップして紹介します。
知識として覚えておくと、書類作成時などに非常に役立つでしょう。
辻、芦、茨など(JIS2004で変更された漢字)
最も代表的でトラブルになりやすいのが、「辻」という漢字です。
昔のパソコン(JIS90)では、しんにょうの点が一つ(一点しんにょう)でした。
しかし、現在のパソコン(JIS2004)では、しんにょうの点が二つ(二点しんにょう)が標準になっています。
人名で「一点しんにょうの辻にしてください」と指定されることは非常に多く、Webライターやデザイナー泣かせの漢字として有名です。

他にも、「芦(あし)」という漢字は、昔は草冠の下が「戸」でしたが、今は「戸」の上の線が突き抜ける形が標準です。
「茨(いばら)」も同様に、下の部分の「次」の形が微妙に変更されています。
食べ物の「鯖(さば)」も、魚へんの右側の下の部分が「円」から「月」へと変更されるなど、身近な漢字に多くの変化が起きています。
これらの漢字も、「葛」と全く同じ理由で表示が変わっているため、解決方法は今回ご紹介した手順と共通しています。
フォントを旧規格のもの(HGゴシックなど)に変えるか、異体字として入力・登録することで対応可能です。
比較表:JIS90(旧)とJIS2004(新)の代表的な漢字
視覚的に分かりやすいように、JIS90(旧規格)とJIS2004(新規格)で形が大きく変わった代表的な漢字を比較表にまとめました。
ご自身のパソコンやスマホの環境で、現在どちらの字形が表示されやすいのかを確認する際の参考にしてみてください。
| 漢字 | JIS90(旧規格・異体字)の形 | JIS2004(新規格・正字)の形 | 主な使われ方・注意点 |
|---|---|---|---|
| 葛 | 下が「ヒ」 | 下が「人+L(匂)」 | 葛飾区は「人」、葛城市は「ヒ」など分かれる |
| 辻 | 一点しんにょう | 二点しんにょう | 人名で「一点しんにょう」の指定が非常に多い |
| 芦 | 草冠の下が「戸」 | 草冠の下の「戸」が上に突き抜ける | 芦屋市など地名でよく使われる |
| 茨 | 下の「次」の左側が「二」のような形 | 下の「次」の左側が「にすい」 | 茨城県などの表記で注意が必要 |
| 鯖 | 右下部分が「円」 | 右下部分が「月」 | メニュー表やパッケージデザインで影響あり |
このように、私たちが普段何気なく使っている漢字も、時代やルールの変化とともにパソコン上の標準的な姿を変えています。
それぞれの漢字が持つ背景を知っておくことで、より柔軟にパソコンやスマホを使いこなせるようになります。
まとめ
今回は、「葛の下がヒの漢字」の出し方や、パソコン・スマホ別の入力方法について詳しく解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントを簡潔にまとめて振り返っておきましょう。
- 文字が出ない最大の原因:パソコンの文字規格が「JIS90」から「JIS2004」に変わり、標準が「人」の形に変更されたため。
- パソコンでの出し方:フォントを「HGゴシック」等のNが付かない古い書体や「教科書体」に変更するのが最も簡単。必要に応じてIMEパッドや辞書登録を活用する。
- スマホでの出し方:システムフォントに依存するため、Web上からコピペして「ユーザ辞書」に登録するのが一番確実。
- データの受け渡し:相手の環境によって表示が変わってしまうため、厳密な文字指定が必要な場合は「PDF化」して送るのが鉄則。
- その他注意すべき漢字:「辻」「芦」「茨」なども同じ理由で標準字形が変わっているため、名前や地名を扱う際は要注意。
「葛の下がヒ」の文字入力は、IT化が進んだ現代ならではの「文字コードとフォントの壁」にぶつかりやすい典型的な例です。
しかし、その背景にあるルールや仕組みさえ理解してしまえば、決して難しい設定ではありません。
この記事でご紹介したコピペや単語登録、フォントの変更テクニックを活用して、ビジネス文書やプライベートなやり取りをスムーズに進めていただければ幸いです。
ぜひ今日から、思い通りの漢字入力で快適なパソコン・スマホ生活を送ってください。





