母の日は、母への感謝を伝える特別な日として世界中で祝われています。本記事では、母の日の起源や歴史、日本での広まり方から、近年の人気ギフトや経済動向までをわかりやすく解説します。
母の日の起源と歴史
母の日の直接的な起源はアンナ・ジャービスによるもので、1908年5月10日にアメリカ・ウェストバージニア州のアンドリュース・メソジスト監督教会で最初の正式な礼拝が行われました。
1914年にはウッドロウ・ウィルソン大統領が5月第2日曜日を国の祝日と定め、その後世界各国に広がりました。ただし、古代ローマ時代から母性を讃える象徴的な祭りが存在し、直接的な系譜は学説上曖昧ながらも、母性への感謝という精神は深い歴史を持ちます。
母の日の歴史タイムライン
・紀元前3世紀頃:大地母神キュベレー(Cybele)を讃える祭りがローマで行われる。
・中世17世紀頃:イギリスで四旬節(レント)の第4日曜日にMothering Sundayが始まり、母教会を訪れる習慣が成立。
・1908年5月10日:アンナ・ジャービスが米国で初の母の日集会を開催。
・1914年:米国で5月第2日曜日を母の日と制定。
・1913年:青山学院で日本初の母の日礼拝を実施。
・1931年:大日本連合婦人会が香淳皇后誕生日(3月6日)を「母の日」と制定。
・1936年:「森永母を讃へる会」を結成し全国的運動を開始。・1949年頃:日本で5月第2日曜日の母の日が定着。
日本における母の日の始まりと普及
日本で最初に母の日礼拝が行われたのは1913年、青山学院の礼拝堂で三人の宣教師がアンナ・ジャービスのメッセージを受け、白いカーネーションを用いた集いを開催したことが嚆矢です。
その後1931年には「大日本連合婦人会」が香淳皇后の誕生日(3月6日)を「母の日」と定め、一時期は春の行事として定着。
さらに1936年には森永製菓が「森永母を讃へる会」を結成し、1937年に20万人を招いた「母の日大会」を開催、全国的な普及に大きく貢献しました。戦後は米国に倣い、1949年頃から5月第2日曜日の母の日が一般に定着しています。
母の日のギフト選びのポイント
母の日ギフトを選ぶ際は、まず贈る相手の好みやライフスタイルを考慮し、長く楽しめるものを意識すると良いでしょう。日比谷花壇の2025年アンケートでは「花が最も喜ばれる」と回答が圧倒的多数であり、特に花瓶要らずのフラワーアレンジメントが根強い人気です。
また、ネット通販での購入が主流となり、楽天市場やAmazonなど大手ECモールが21.1%・17%を占め、実店舗でも13.4%の人が近所の花屋を利用しています。SDGs意識の高まりからリサイクル素材や簡易包装を重視する傾向も見られ、予算は3,000円前後がボリュームゾーンですが、10,000円以上をかける層も増えています。
現代の母の日の慣習とギフトアイデア
定番の赤やピンクのカーネーションは感謝や優しさを表す定番ギフトですが、近年は保存性の高いプリザーブドフラワーやスイーツセット、ハーブティーなど花以外のギフトも好まれています。
体験型ではエステや料理教室のチケットが人気を集め、親子で参加できるワークショップやオンラインレッスンも増加中です。また、コスメや健康グッズ、手作りカードを添えたサプライズ演出など、贈る側の創意工夫で思い出に残る一日を演出できます。
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母の日の経済効果と市場動向
日本記念日協会の推計によると、母の日ギフト市場規模は約1,205億円(2019年)と過去最高を更新し、その後も1,200億円前後で推移しています。また、ネット通販が主流となり、EC利用率は約65%に達する一方、近所の花屋や雑貨店での購入も根強く残っています。
ギフト予算は3,000円前後が中心ですが、物価高にもかかわらず10,000円以上をかける人が増加傾向にあり、各社は早期プロモーションや限定商品で市場の需要を取り込んでいます。
母の日をより楽しむためのアイデア
当日は手作りのメッセージカードを添えると、既製品にはない温かみが生まれます。写真やイラストを交えたアルバムを作成したり、母の好きな料理を一緒に作って家族で食卓を囲んだりするのも喜ばれます。
遠方の家族とはオンライン通話で一緒にスイーツを味わいながら感謝を伝えるのもおすすめです。さらに、事前に写真や動画を集めたスライドショーを上映すると、母親にとって忘れられない思い出となるでしょう。
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